プレイヤにどこまで媚を売るか?

基本的にアプリっちうのは、ユーザに媚を売るものですな。ユーザが誤入力したって、その気持ちを汲み取ってやらにゃあならん。「あんあい」で変換しても「案内」になったのは結構いいかも。そんな感じに。

しかしながら、ゲームはそうも云ってられない。しくじるのも愉快のうちであるからだ。ボタンの押し間違えとかタイミングのズレを勝手に修正してくれる音ゲーがあったら、それクソゲーだから。プレイヤにどこまで媚を売ってどこまで突き放すかのさじ加減って結構むつかしい。

格ゲーなんか*1だと、「目押し連続技」なんてのがありますが。簡単に云うと、タイミングが良ければ連続技になってウハウハ、悪いと失敗してショボンってヤツです。こいつをプレイヤ側に歩み寄る手段も結構あって、1番に思いついたのは、早めの入力を成功と認める「先行入力」ってヤツ。目押しは、猶予が2フレームで練習すれば確実っちうレベルらしいので、2〜3フレーム先行が効くだけで失敗は殆ど無くなるでしょうや。そんな簡単な実装も、未だ為されてゐないゲームも多々存在する。ちうのも、プレイヤの技術を問われがちな格ゲーにおいては、「出来るひと」と「出来ないひと」を分けるフィーチャーが必要だから。

ただ、ワタクシの個人的な見解を述べるならば、プレイヤへの歩みよりは相当にして構わないと思う。誤操作によるストレスはやはり相当に大きい。「源平討魔伝」っちうゲームで上下に移動する足場があるんだが*2、これの下降速度がプレイヤの落下初速よりも速いのだ。しかし、プレイヤが落下加速すると追いつく。そうするとどうなるかっちうと、下降中の足場に乗ったプレイヤは、落下と着地をガクガクと繰り返すわけだ。そんななか、次の足場に飛び移ろうとプレイヤはジャンプボタンを押すんだが、落下中だとジャンプ出来ずに谷底にまっさかさま、ちう塩梅。このメカニズムを理解できなかった当時ガキのワタクシは「下降中にジャンプしてはいけない」ことを経験により学習しましたが、納得がゆかなかったですねー*3。そんなトラウマを抱えたワタクシは、「落下しても数フレームは着地判定」ちう実装をしたのですが、「本来と異なる違和感」ではなく「良好な操作感覚」と感じましたね。「誤操作の可能性を残す」っちうのは、それが面白さの本質にあるかどうかを見極め、慎重に決定せねばならんのですね。

*1:この問題はリアルタイムのゲームに多いと考えられる。非リアルタイムのゲームには、誤操作の楽しみは皆無だろう。

*2:要石ではない

*3:今となっては、こうでなければ「源平討魔伝」じゃない!のだが。