自戒

他人の技術をうらやんではならない。専門外のことならともかく、自分の得意分野に関してはなおさらである。技術を努力無しに自然に身に着けたものはゐない。素養による大小はあれど、時間的代償は必要である。逆に云えば、努力さえすれば誰にでも技術は得られるものである。だから、「〜が出来るなんて、うらやましいですね〜。」と云う発言は自分の努力不足を露呈するのみである。

創造を軽んじることなかれ。ものを産み出すには大変な労力を必要とする。稀に、まるで永久機関のように次々と創造を重ねるひとがゐますが、恐らく、過去の蓄積を使って産むから早いのであって、何も無いところから瞬間的に産まれることは殆ど無い筈である。悩み、苦しみ、自分の素養に疑問を持ちつつ、ひじり出すのが発想と云うものである。「さくっと産み出せて凄いっすね〜。」と云う発言は、相手を褒めてはゐるのだが、その裏の苦しみを蔑ろに軽視してゐるように感じる。